【現地レポート⑥ / 男子 3 回戦】挑み続けたからこそ拓いていく道――金沢学院クラブ U15 #16 矢作拓真選手
2025年1月6日
今大会最注目選手の壁はやはり高いものでした。しかし最後まで諦めずに、それを乗り越えようと挑み続けたことに意味と価値はあります。
「京王 Jr.ウインターカップ2024-25」の男子 3 回戦。金沢学院クラブU15 (石川) が対戦したのは、前回大会の優勝チームである四日市メリノール学院中学校 (三重) です。四日市メリノール学院中学校には、今大会最注目の選手と言っていい #34 白谷柱誠ジャック選手がいます。進化を続ける196センチのオールラウンダーは、2024年に飛び級で U18 日本代表に選出され、今大会もペイントエリア内だけでなく、3 ポイントシュートやドライブ、ボールプッシュまでをしっかりこなしています。ダンクシュートもお手のものです。そんな #34 白谷選手に、金沢学院クラブ U15 の #16 矢作拓真選手は挑み続けました。
身長差が13センチもある #34 白谷選手にマッチアップされながら、それでも「自分のところで攻めていこう」と、#16 矢作選手は序盤から積極的に攻めていきます。しかし得意とするストライドの大きなドライブもしっかりと守られて、最後は強烈なブロックショットをされてしまいます。
そこまではっきりと現時点の体格差、力の差があれば怯んでもおかしくはありません。しかし #16 矢作選手は、その後も攻め続けます。もちろん考えなしに攻めているわけではありません。何とか #34 白谷選手を超えようと、さまざまな工夫を凝らします。
「大きい相手であれば、シュートフェイクで一度飛ばしてから、ファウルをもらうようにするなどはできたと思います」
第 2 クォーターには 3 ポイントシュートも決めていますし、その後も、守られながらもペイントエリア内外での 1 対 1 を挑み続けます。
結果は #34 白谷選手の34得点28リバウンドに対して、#16 矢作選手は11得点5リバウンド。その差は歴然としています。
しかし真っ向から挑み続けることによって、見えてくるものもあります。
「やはりジャンプシュートをもっと打って、決めていかなければいけないと思います」
自らが認める課題は、チームを率いる角田敏ヘッドコーチも認めるところです。
「あの子は、ドライブからのゴール下はこれまで通用してきました。でも、ドライブからネイルあたりでストップして、ジャンプシュートを打てるか。私はジャンプシュートがすごく大事だと思っていて、中学生なのでピックを使うことはあまりしませんが、ドリブルで切り込んでいって、いろんなところでジャンプシュートが打てるようになると、あの子は “ 鬼に金棒 ” になると思っています」
将来はかつて NBA で活躍したコービー・ブライアントのような選手になりたいと言う #16 矢作選手。彼がコービーのようになれるかどうかはわかりませんが、まだまだ発展途上の 2 年生。彼が得意とするドライブやリバウンドへの反応などを見ていると、それを期待したくもなってしまいます。そうした選手がいることは、中学バスケットボール界だけでなく、日本のバスケットボール界の発展にもつながっていきます。