現地レポート

【現地レポート⑦ / 女子準々決勝】8か月のブランクを乗り越えて――サザンギャルズ1031 #4 関谷瑠那選手

2025年1月6日

「子どもたちはよく頑張りました。3 年生を勝たせてあげたかったですね」

「京王 Jr.ウインターカップ2024-25」の女子準々決勝、北九州市立菊陵中学校 (福岡) にオーバータイムの末敗れたサザンギャルズ1031 (栃木) の増田富重コーチは、悔しさをにじませながらそう語りました。

 前半を 26–17 でリードし、先に主導権を握ったサザンギャルズでした。しかし、第 3 クォーターからディフェンスを強めた菊陵中が反撃。4 Qにはついに追い付き、試合はシーソーゲームの末、延長戦に突入します。「追い付かれて延長になったことで、慌ててしまったかもしれません」と増田コーチが振り返るように、サザンギャルズは 3 分間の延長戦で得点が停滞。対照的に、勢い付いた菊陵中がリードを広げ、最終的に 56–48 で大一番を制しました。

 ベスト 4 まで、あと一歩届かなかったサザンギャルズ。それでも、夏から目覚ましい成長を見せたことは確かです。同チームは宇都宮市立陽南中学校の選手を中心に編成されていますが、夏の関東大会はベスト 8 に終わり、全国中学校大会には出場できませんでした。そんな悔しい夏を経て、ここまで勝ち上がってきたのです。

 その背景には、チームの大黒柱であるキャプテン #4 関谷瑠那選手の復帰がありました。走れるセンターとして昨年から活躍してきた彼女ですが、昨年 3 月、右膝の軟骨のケガで手術をすることに。3 月から11月まで、約 8 か月間にわたり長期離脱を余儀なくされました。夏の関東大会にも出場できず、「キャプテンになった矢先に大きなケガをしてしまい、チームにすごく迷惑をかけました」と関谷選手は振り返ります。

 中学最後の年のほとんどをケガで棒に振る現実に、気分が沈むこともあったと言います。そんなとき、支えになってくれたのは仲間の存在でした。関谷選手いわく「私はすごく感情が顔に出てしまうのですが、暗い顔をしているとみんなが声をかけてくれて…。それで、なるべくポジティブでいられるように意識するようになったんです。くよくよ考えず、とにかく早く復帰してみんなと一緒にバスケットをしよう、という思いに集中しました」。

 今大会には、「仲間に恩返しすると決めていました」と固い決意を持ってコートに戻ってきました。最後は「チームを勝たせることができず、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と悔し涙が止まりませんでしたが、「悪い雰囲気でも最後だから笑って終わろうと、みんなで楽しむことを意識してプレーすることはできたと思います」と胸を張ります。今後に向けて、「高校ではさらに競争が激しくなると思いますが、しっかり試合に出て活躍し、中学での悔しさを晴らしたいです」と次のステップへの意気込みを語ってくれました。

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