【現地レポート⑪ / 男子総評】中学生たちの『次』へとつながっていく5日間
2025年1月8日
「京王 Jr.ウインターカップ2024-25」の大会最終日、男子は 3 位決定戦と決勝が行われました。
先に行われたのは 3 位決定戦。四日市メリノール学院中学校 (三重) と LakeForce (滋賀) との間で行われました。試合は、#34 白谷柱誠ジャック選手、#86 青井遙臣選手らでスタートダッシュに成功した四日市メリノール学院が連続得点で一気にリードします。対する LakeForce も #4 青木煌桜選手、#5 上野圭登選手、#8 小林千晃選手らがシュートを決めましたが、後半もタフなディフェンスと積極的なオフェンスを見せた四日市メリノール学院が 101-38 で勝利しました。
4 位となった LakeForce は、第 1 回大会から出場しているチーム。指揮を執る中野ルリ子ヘッドコーチは、「ファイナルに行くことが目標だったので、欲を言えばその舞台に立ちたかったという思いはありますが、(最終日の) 今日試合ができるのは 4 チームだけ。その一枠を勝ち取ってくれた選手たちに感謝しています。取り組んできたセットプレーやチームオフェンス、ディフェンスが、試合を戦うたびに形になっていて、成長してくたと感じました」と、大会を振り返りました。
LakeForce は「次のカテゴリーで活躍できる選手の育成を一番に大事にしている」 (中野ヘッドコーチ) チーム。今回の 4 位という結果については、「育成が結果につながっているので、やってきたことは間違いではなかったと思います」と言います。そして LakeForce の 3 年生たちは今後も後輩の面倒を見ながら自身のスキルアップを図っていくそうです。
一方、3 位となった四日市メリノール学院は、大型プレーヤーである白谷選手に注目が集まりましたが、1 年生から活躍をしている白谷選手との 3 年間ついて山﨑修ヘッドコーチは「育成と強化を徹底的にやりました。はっきり言えば、ジャックがゴール下だけで攻めればもっと楽だとは思うのですが、ガードというのは高校からコンバートしても間に合わないと思っています。ただ、育成だけでチームがこういう全国の舞台に上がれなかったら彼らの経験にならない。そのため、育成と強化の両方をあきらめずに欲張った 3 年間ではありました。まだまだ完成してないですが、楽しんでやることができました」と、振り返りました。
白谷選手だけでなく、#86 青井遥臣選手や #17 鐘ヶ江咲人選手、#56 仲見優汰選手、#55 鈴木柊矢選手といった選手たちがそれぞれ成長を遂げて臨んだ今大会。銅メダルの価値について「もう最高です。トータルでは昨年のチームのほうが強かったとは思いますが、今年は 1 年間よく練習しました」と、指揮官は 3 年生たちの 1 年間の頑張りに目を細めていました。
3 位決定戦後に行われたのが RIZINGS徳島 (徳島) と琉球ゴールデンキングス U15 (沖縄) との決勝戦。
試合は序盤から接戦の様相となります。第 2 クォーター終盤には琉球が先行していきましたが、第 3 クォーターで RIZINGS徳島が琉球を追随。逆転に成功すると、そこからは 1 点を争う展開になりました。
迎えた残り 1 分 7 秒、琉球は#54 越 圭司選手の 3 ポイントシュートが決まり、同点に追いつきます。しかし、RIZINGS徳島は #18 岩朝ローマ選手の 3 ポイントシュートで再び引き離すと、そのリードを保ったまま逃げ切り。大会初優勝を達成しました。
「徳島さんが非常に強くてノーマークのシュートを落とさなかったなと感じました。ペイントの部分では我慢できたのですが、最後決め切った徳島さんが素晴らしいと思います」と、試合の感想を語ったのは琉球の末広朋也ヘッドコーチ。接戦に敗れて選手たちも悔し涙を流していましたが、琉球は「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP」が 3 月に控えています。
「昨日まではやりたいことをやれたなと思っていますが、今日 (決勝) は正直、『超高速バスケ』をしたかったのですが、それができませんでした。でも、もう一度戦える舞台があるので、今回の反省をし、原因を探って 3 月に戻ってきたいです」と、次への大会を見据えました。
対して優勝を果たした RIZINGS徳島は、チーム創設当初から「楽しいけど試合になったら激しくしよう。エンジョイ&エキサイティング」がモットーだと十川佳司ヘッドコーチは教えてくれました。
十川ヘッドコーチは優勝インタビューの場で「ひょうきんなチーム」と評していましたが、選手たちについては「自主練習をよくする」とも言います。チーム練習がない日など「合間を見つけてシューティングをしたり、スキル練習をしたりと、勝手にうまくなっているイメージです」と、笑顔を見せました。
この自主練習について決勝点を決めた岩朝選手は、「長所を伸ばして短所をなくすようにしています。やりたいことができるので、いい時間です」と、言います。自らのレベルアップのために自身の足りないものが何かを考え取り組む。そんな選手の自主性もチームの強さの一つと言えるでしょう。
Jr.ウインターカップに出場する選手たちは伸び代十分の中学生たち。最終日で戦った 4 チームの選手たちも、今大会での経験を糧に新たなステージに向けてより高く羽ばたいていきます。